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番組推薦のアルバムを毎月3作品ピックアップ

Bonnie Raitt: Slipstream

リリース年月日:2012-05-23  レコード番号:
レーベル(国内):ビクターエンタテインメント

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レビュー:1件

  • harada
  • 東京都
  • 2012/7/1

(この前、元春も言っていたが)女性に対して年齢のことを持ち出すのは失礼千万ではあるが、ウィキによるとボニー・レイットは今年六十三歳になるとのことだ。しかしどうだろう、このアルバムは還暦過ぎの女性が紡ぎ出したとは到底思えない躍動感、柔靭さ、強靱さ、そして艶やかさに満ちている。まずは単純に、ここに驚きがある。ボニー・レイットは、ドン・ウォズ、ミッチェル・フルームといった一癖も二癖もある辣腕プロデューサーたちと、その時々で聴き応えのあるサウンドを練り上げてきた。そんな彼女が次に白羽の矢を立てたのは、今をときめくジョー・ヘンリーであり、今作では彼のプロデュース音源四曲が収録されている(内訳としてはディラン作二曲、ジョー・ヘンリー作が二曲と、いかにも“挨拶代わり”な感じ。この二人の“がっぷり四つ”音源は、次作以降になるらしい)。本作ではボニー本人による仕切りで制作された残り八曲の出色ぶりが空前絶後の鴻大さを誇っており、正直、ジョー・ヘンリー絡みはクレソン=添え物状態に押しやられている。リトル・フィート(ローウェル・ジョージ)直系のエレクトリックのスライドプレイもブリブリのゴッリゴリで、いつもの三割増しになっている。このアルバムのサウンドは、ロックミュージックにレッドリストがあるとするならば、間違いなく“絶滅危惧種”カテゴリにあてはまるものだろう。しかし、それだからこそ、今のメインストリームのロックサウンドの「体たらくさ」を激しく照射し、白日の下に曝す。ロック音楽関係者にとっては正座モノの快作。心して聴いていただきたい。