『THE SUN』で『佐野元春』と『僕ら』は
リアルタイムで進行中
池内克典

約5年振りとなる『THE SUN』を聴いてまず思ったことはやっぱり『佐野元春』はい つまでも自分の道を突き進み、 完璧なものをリスナーに提供しようとする『力』を感じさせてくれた。
シングルにもなった1曲目『月夜を往け』から静かに落ち着き払ったように、でも力 強く流れる14曲。

僕は1月末に会社を辞めた。納得したものではなくリストラだった。。でも辞めてよ かったと今は思う。
そしてその気持ちを3曲目の『恵みの雨』が洗い流してくれた。。

まだ準備もできないまま、4月には広い家に引越しをした。借家で中古でも庭があり 息子の為だけを思いそうした。。
そしてアコースティックギターがやさしい4曲目の『希望』が勇気付けてくれた。
デビュー当初から街の情景を歌うことに長けていた元春さんの心境・表現は『THE SUN』で確実に変化している。
『中古の家』『墓参りの準備』なんて言葉が今までに出てきただろうか? やはり僕らも一緒に歳を重ねていることがひしひしと感じ嬉しくもあった。日常の中に『希望』と『自由』が満ち溢れていることを痛感した作品だ。

続けて僕がリアルタイムで痛感したのが、『あてのない旅』をして『彷徨う君の魂』 が元春さんに『頑張れよ』と 言われているみたいで涙がこぼれた。

14曲を通して、今までアルバム同様『君』という言葉も沢山出てくるけれど、 『家』『生きる』という言葉もよく出てくる。
元春さんの今までの5年にも及ぶジレンマや憤りまでが感じられ、 同時に『The Circle』の時とはまた違った、『新しい旅立ち』が伝わってきた。

そして僕は、今、『自分のための準備』をしている最中。

『夢を見る力をもっと』注いでもらおう!

これからも元春さんの活躍を祈り、共に歩んでいこう!!