RF Interviews
レスター・ブラウン | 風の力を知る




Q1:風力発電の現状についてお聞かせください。

レスター・ブラウン 世界的に見ても、風力発電は過去2、3年で開発が一番伸びているソース。毎年世界で34%の速さで発展しています。その発展は主にヨーロッパ、アメリカ で起きているんです。そもそもなぜ風力発電がこれほどまでに伸びてきているかというと、枯渇することがなく、安価であり、気候にも優しくクリーンであ る。そういった特徴があるということで、他の再生可能エネルギーと比べても伸びてきています。

Q2:東京湾に新設された、2つの風力発電機をご覧になって。

レスター・ブラウン 私自身も、先に述べたように枯渇しなかったりとか、安価だったりとか、そういった理由で、風力に強い思い入れがあります。本日、東京湾にある新しい2つの風力発電機、ウィンド・タービンを見学してきたのですが、この2つで800世帯の電気をまかなえるということで、とても明るい話題でしょう。これから も東京都のほうで風力発電をいくつか増やしていくという計画を聞いて、私個人としても、とても明るい話題だと思っています。

Q3:具体的には?

レスター・ブラウン 今回見学した風力発電機ですが、最新型のモデルを使っていて、私の見たウィンド・ファームの中では一番小さいです。2機しかないというのはとても小さい が、初めとしては良いのではないでしょうか。それから風の強い場所でもあるし、可能性としては十分あるのではないかと思います。都の方から伺った話によると、今後は沖合いのほうにも設置していこうという計画があるそうです。ヨーロッパのほうでも沖合いに設置するという傾向が強くなっているので、その流れにのっているということで、可能性としてはあるのではないでしょうか。

Q4:今までのご経験の中で印象に残っている風車の施設はありますか?

レスター・ブラウン 例えばペンシルバニア、カリフォルニアなど比較的大きなもの。デンマークのコペンハーゲンにある空港近くの沖合いに設置されている風車は、飛行機で着陸 する時に風力発電機の上を通って着陸するのが印象的です。アメリカの北西部テキサスなどでは、大きな風力発電機が数百機設置されているのが印象的ですね。

Q5:風車の未来はどう変わっていくと思いますか? 風車が世界中に立つような日が来るのでしょうか? そして未来展望は?

レスター・ブラウン 私の見る未来像というのは、何百万という風力発電機がこれから広がっていくでしょう。それから、例えばアメリカだとノース・ダコタ、カンサス、テキサスの3州で、全米の電力需要を満たすだけの風力が発生する可能性がありますし、中国では風力を使うことだけで、現在の電力発電を倍に出来る可能性があります。一度、風力で安い価格の電力が出来れば、今度は水を電解して水素を作ることができます。水素というのはもちろん、これからの未来エネルギーとして考えられえているものです。そして私の考えるには、例えばアメリカの話をすると、今、牧場や農民の方たちで風力の権利を持っていますが、その方たちがこれから電力を供給するだけでなく、水素も供給するようになっていくのではないかと、そのように活用されるのではないかと思っています。

Q6:最後に、ブラウン氏にとって「風」をイメージする曲は?

レスター・ブラウン 難しい質問だね。次回に答えを用意してもいいでしょうか(笑)。


収録: 2003.3.20
場所: 東京都環境局中防合同庁舎
聞き手: 黒須亜斗
構成: 佐野元春



レスター・ブラウン氏の著作、レイディオフィッシュ推薦3冊

レスター・ブラウン エコ・エコノミー
出版社: 家の光協会
ISBN: 4259546201 (2002/04)


地球白書―ワールドウォッチ研究所
〈2001‐02〉
レスター ブラウン (著), Lester R. Brown (原著), エコフォーラム21世紀
出版社: 家の光協会
ISBN: 4259545922 (2001/04)

こども地球白書〈2001‐2002〉
レスター・R. ブラウン (著), 加島 葵 (翻訳), 林 良博, 高畠 純
出版社: 朔北社
ISBN: 4931284779 (2001/11)




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