ハートランドからの手紙#79
掲載時:94年6月
掲載場所:大阪地区プロモーターに宛てた書簡

お便りを頂きました。暖かいはげましの言葉を心より感謝します。
先日の大阪公演は、長い僕とハートランドのツアー史の中でも、想い出に残る、すばらしいコンサートとなりました。高橋さん、そしてキョードー大阪スタッフの皆さんに、改めてどうもありがとう。

バンド結成以来、14年、僕とハートランドは全国、多くのオーディエンスに支えられて今日を向かえました。コンサートに来てくれたみなさんと同様、一夜、一夜が、僕の胸に、すばらしい想い出として深く刻まれています。
今、僕とハートランドは、それぞれにとっての新しいステージに向けて、ミュージシャンとしての新たな模索を始めようとしています。これを僕らは「前進」と受けとめています。「ひとつの時代が終わった。」そんな感慨も、僕にとっては無縁です。何度目かの思春期を迎える気持にも似て、今はまだわかりませんが、近いうちに必ずまた、多くのオーディエンスの前で、ギターをかき鳴らす時が来ると思います。そのときには、僕の新しい作品を携えて。そのときには僕の新しいソウルを携えて。

きっと待っていてくださいね。そしてこのことを大阪のファンの皆さんにもお伝えください。橋本さんにもくれぐれもよろしくお伝えください。デビュー以来、佐野元春ウィズ・ザ・ハートランドをもっとも適切な方法でプロモートしてくれた恩人です。
どうもありがとう。
ではまたいづれ。

佐野元春


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