See Far Miles Tour part I


1992/01/27 北海道厚生年金会館

 ニューアルバムのプロモーション・ツアーでも何でもない。
 ツアータイトルは「SEE FAR MILES TOUR PART T」となっている。
 「ニュー・エイジ」からコンサートの幕があく。
 もうこの時点から客席が、興奮状態なのを感じる。
 矢継ぎ早にお馴染みのナンバーが続き、一人、また一人と立ち上がる。
 僕は二階の最後列から数えた方が早いような席にいたのだが、ステージから真っ直ぐ飛んでくる「何か」を充分感じ取ることが出来た。
 客席の年齢層は、極端に若くはない。
 それだけにクールであるが、それぞれが心地良い酔いを有している。
 リズムが多少走ろうが、歌詞を多少間違えようが、別に対した問題ではない。新曲は2曲のみ。等身大の音が何の気負いもなくスピーカーから飛び出す。
 初期の曲ほど原曲のアレンジに近い。
 僕は風邪で熱が上がり朦朧とした状態のまま、初めから終わりまで突っ立ち、知らず知らずのうちにステージ上のペースに飲み込まれる。
 何時の頃からか、僕はホールコンサートが大嫌いになっていたはずなのに、ここに居て何の違和感も感じない。
 そして、僕が最も驚いたことは、この夜「ロックン・ロール・ナイト」と云う初期の大作が、今尚、強力なパワーと輝きを秘めて演奏されたことである。
 ミニ・コミ紙「ザ・ポップ・コミニュニケーション VOL.73」掲載記事より
(鹿毛不二彦(Tomakomai.Hokkaido)) Tue, Dec 2 1997 21:20:53 JST