02.Jul.01.at Shibuya kokaido hall


 もはやロックンロールの神様に祝福されているとしか思えぬ“梅雨の晴れ間”ツアー。相変わらずの猛暑が続いている。梅雨が明けていないことを忘れてしまいそうだ。

 バックステージでのミュージシャンたちは皆、今日もフルートの練習に余念がない。本職の山本拓夫が用意した課題曲の譜面を眼で追いながら、フルーターズの面々はフルートを吹いている。フルートの音色を手繰っていけば、H.K.B.の楽屋に辿り着く。

 ミュージシャンたちのインタープレイを楽しむために特に音楽的なトレーニングが必要だとは思わない。ミュージシャンたちが味わっているプレイする楽しさを自身の歓びとして体験することのできる聴き手なら誰もが皆、それを楽しめる。大多数のオーディエンスはそれを実際に体験しているはずだ。

 より積極的に楽しむためのヒントは、ミュージシャンたちの笑顔とアイ・コンタクト。彼らの笑顔を見つめていれば、そして彼らの間で頻繁に交わされるアイ・コンタクトの行方を追っていけば、スリリングなインタープレイの醍醐味を自分自身の体験として堪能できるようになる。別に難しいことじゃない。熱心なファンなら誰もが無意識のうちにやっていることだ。

 今夜のギグには奇跡的な瞬間が幾度かあった。このツアーでのこれまでのギグにもそういった瞬間がなかったわけではない。ただ、今夜は何かが空から降りてきた。ミューズの祝福がそこにはあり、今夜のホールは女神の恩寵に包まれた。

 最高のギグだったことは間違いない。でも“Rock & Soul Review”はまだ終わったわけじゃない。次の福岡で、あるいは名古屋で、今夜のギグをも凌ぐ奇跡的な夜が訪れるかもしれない。“一生に一度の夜”はいつも突然やって来る。

 
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