BOSE QuietComfort 3 | MWS限定モデル

インタビュー & テキスト編集:今井 'KenG' 健史、森本真也
デザイン & 写真:コヤママサシ
編集協力:M's Factory、大山貴





─ 佐野さんはQuietComfort 3初体験ということですが、ファーストインプレッションはいかがでしたか?

元春  噂には聞いてましたが、このノイズキャンセリング機能は非常に優れていますね。僕もツアーに出たり海外に行く時、かならず飛行機に乗ります。そこではもちろん音楽を楽しみたいんだけど、飛行機のリスニング環境はもう劣悪でなんとかならないかなって思っていたんです。でもこの製品はそうした問題点をすべてクリアしてくれるものだね。

─ iPodなどで音楽を楽しんでいる人には、QuietComfort 3のノイズキャンセリングは嬉しい機能ですよね。

元春  今はiPodなど楽しい音楽ガジェットがたくさん出回っているから、やっぱり外に音楽を持ち出したくなる。でもそこで気になるのが音のクオリティなんです。僕はレコーディングの最中「この作品は皆に、最高にゴキゲンな環境で聞いてもらいたい」と願いながら作っています。でも電車や飛行機などの環境によって、作品がプアに響いてしまうのであれば、それはとても残念。だからこの製品のように、移動中でも良い音で聞いてもらえるのは凄く嬉しいです。




─ QuietComfort 3はノイズキャンセリング機能のほかにも、正真正銘のボーズサウンドを楽しめるヘッドフォンです。佐野さんはボーズ製品を使われていますか?

元春  僕のオーディオ環境を説明すると、自分の音楽制作スタジオには映像再生のルームもあって、そこではボーズの5.1chサラウンドシステムを使ってます。あと仕事用のコンピュータにはボーズのPC用スピーカー繋いでいます。僕が感じるボーズサウンドの特長は、どんな小さな音にしても音像が崩れないんです。大抵のスピーカーやヘッドフォンは、ボリュームの大小によって曲の印象まで変わってしまうけど、ボーズの場合はボリュームを絞っても、サウンドのバランスはそのままに音だけが小さくなるという印象があります。ここはサウンドを作る側としては嬉しいところです。あとボーズサウンドのフリークエンシー(周波数域)はとても音楽的なので、どんな音楽のジャンルでも気持ちよく楽しめるね。

─ 佐野さんは『The Sun』で「旅にThe Sunを持っていってほしい」というメッセージを、『Coyote』では「できるだけ良い環境でラウドに聞いてほしい」というメッセージを我々に出していました。両方とも“音楽プレーヤーでいかにして良い音楽体験を得るか”という視点に根ざしたメッセージですよね。

元春  リスナーが音楽ガジェットで作品を持ち出して、いろんなところで聞いているのが当たり前の現在、作り手としては、リスナーの立場に立って音作りを検証する必要があります。だからDaisyMusic発足後の作品は、レコーディング中の作品をiPodなどに入れて、いろんなところに持ち出してサウンドを検証するんです。そこからランニングオーダー(曲順)が決まったり、曲のアレンジが変わるときだってある。とくに『Coyote』においては、詩をしっかり聞いてほしいという意志もあり、それまでの作品と比べてボーカルが前に出てくるように作り、iPodのイヤフォンで聞いた時にも僕のボーカルがいちばん気持ちよく聴こえるポイントの検証をしました。



 その一方で『Coyote』では、音楽がイヤフォンで聴かれる風潮への批評もあり、スピーカーから空気を震わせて耳に届く大きなサウンドの印象も大切だって言いました。それでも『Coyote』は外で聞くと楽しいよね(笑)。僕は今まで、自分の作品をそれほど何度も聞き返すことはしなかったんだけど、『Coyote』はiPodに入れて、まるで他人の作品を聞くように何度も楽しんでます。それはたぶん、こうした音楽ガジェットの音質が上がってきたからだと思うんです。自分はスタジオで緻密に音を作っているので、楽器の音質感やサウンドの位相といったものまで完全に把握しています。そして最終的なプロダクトになったときも、今ならそれほど差がないです。こうしたデジタル技術はアナログの良い部分を取り入れて、それが製品の発展に繋がっているんだろうなと思います。

─ QuietComfort 3でスポークンワーズ作品を楽しむというのもステキだと思います。通勤通学の電車でのフとした5分間、無音の中でスポークンワーズに集中できるのはいいですね。

元春  最近『BEATITUDE』というスポークンワーズ作品を出したんですが、スポークンワーズを聴くのにQuietComfort 3は最適だと断言できます。ロックンロールであればエアで響かせた音でダンスしたりするのが楽しいけど、スポークンワーズ作品は、僕からある一人の誰かへという個人的なアプローチに近いんです。QuietComfort 3でノイズがキャンセルされた、まるで水の中にいるような感覚で僕のスポークンワーズ作品を聞いてもらえるというのは、何か新しい経験になるんじゃないかな。



─ QuietComfort 3のノイズキャンセリング機能のもうひとつの長所として、それほど大きなボリュームにしなくても十分に音楽が楽しめるので、耳を痛めたり難聴になりにくいんですよ。

元春  そうだよね。音楽ガジェットで音楽を楽しむのはいいけど、耳を痛めてしまう問題は皆がきちんと考えないとね。そういう点もQuietComfort 3はありがたいです。あと、密閉式のイヤフォンだと少し低音が弱く感じるからプレーヤー側のEQで調整することがあるけど、QuietComfort 3はEQをフラットにしても低音がやわらかく広がるのが心地よいです。とてもリスナー向き、音楽を感性で楽しめる人向きの製品設計をしているよね。だから僕の周りでもボーズの愛好家は多いよ。旅行とか通勤など外で使う時、耳を痛めることなく音楽を楽しみたい人、イヤフォンからヘッドフォンに替えたい人などに薦めたいです。

 いよいよ2008年1月から待望の全国ツアーがスタート。会場に出かける時は、あなたのデジタルオーディオプレーヤーにぜひQuietComfort 3を繋ぎ、気持ちを沸点まで高ぶらせ、ライブで思いっきり弾けよう!



51,450円 (本体 49,000円)
● 付属品 : MWS特製カード、MWS限定キャリーケース(21×17×5cm)