ハートランドからの手紙#68
掲載時:93年10月23日
掲載場所:書簡

「本牧中学校二年一組一同のみなさんに」

 本牧中学校二年一組のみなさんからお手紙を頂きました。どうもありがとう。今年開校して今回が記念すべき第一回目の文化祭ということ。おめでとう。楽しみですね。 みなさんきっと待ち遠しくしていることと思います。
 さて、さっそくお手紙にあったいくつかの質問に答えたいと思います。

本牧中学校生徒のみなさんへのメッセージ

 僕らは今とても大きな変化のなかにいると思います。
まず環境の問題です。地球が持っている水や空気やエネルギーには限りがあります。おとなたちはよく「資源を大切に。」という言葉を決まり文句のようにくりかえしますが、おとなたちから言われたから「ああ、そうか!」というのではなくて、ジュニアのみなさんひとりひとりがこの環境の問題について、「僕はこう思う。」、「私はこう思う。」と、声を大きくして発言する時代なのだと思います。がんばってください。

 もうひとつは国際交流についてです。現代は、通信コミュニケーションの発達によって、僕たちは簡単に世界のひとたちと心をかよわせ合うことのできる時代です。日本という小さな枠のなかだけで物事を判断するのではなく、いつも「世界の中の僕」、「世界の中の私」という発想をしてみてください。大きな志をもって、世界のひとびとと交流してください。

 最後に、国際平和についてです。悲しいですが現在でもこの地球のどこかで争いごとが起こっています。国境や人種の問題は簡単には解決できないのだから、とあきらめがちな人もいます。でもあきらめてしまったらすべての可能性は消えてしまいます。ひとがひとを傷つけない世界をつくってゆくために、まず身の回りのことを考えてみてください。いい友達をつくること。そしてその友達を大切にすること。その友達が悲しんでいたらそっと手をさしのべてあげること。そんなささいな気持ちがいっぱい集まれば、きっと大きな力になると思います。国際平和の問題は、遠い国のできごとではなく、僕たちの身近な問題なのだと思います。

僕が中学生の頃のちょっとさえない文化祭のおもいで

 僕が中学生の頃、ちょうど隣のクラスに好きな女の子がいました。でもどんな言葉で気持ちを伝えたらいいのかわかりませんでした。文化祭の前日、みんなはいろいろなもようしものの準備でいそがしくしていました。僕の好きな女の子も教室のかたづけなどでいそがしくしていました。そのころからギターがひけた僕は廊下に出て大きな声で唄いだしました。ある有名な曲を替え歌にして、その好きな女の子の名前を唄のなかにいれて唄ったわけです。もちろんその子に聞こえるくらいの大きな声で!幸運なことに彼女は気がついてくれましたが、顔が真っ赤になっていました。それを見て僕はなんだか悪いことをしたような気になりました。それ以来、彼女は僕に口もきいてくれません。きっと怒らせてしまったんだと思います。
 僕が中学生の頃のちょっとさえない文化祭のおもいでです。

 本牧中学校二年一組のみなさん。第一回目の文化祭。どうかみんなで力を合わせて楽しい文化祭を作ってください。僕もロックンロール音楽を通じて、いい曲をたくさん唄っていきたいと思っています。お互いにがんばりましょう!ではまた!


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