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1号目の特集は「BEAT」。佐野が影響されてきたビート・ジェネレーションの「個」が86年の日本に成立するのか? 有効なのか? と提案したのだ。この手法は、2号目で「COOL」というひとつの感覚について特集した際も同じであった。 そして3号目の「カフェ・ボヘミアで夢を」。それは、その後に発売された同名アルバムのコンセプトが見事に雑誌というメディアにパッケージされるというこれまで誰も行なっていないやり方だった。 4号目の「Individualists」はアップ・トゥ・デイトで生を燃焼する若き「個」にスポットを当てる特集となった。惜しくもこの号をもって再び休みに入ってしまったのだが、現在のインディ・マガジンの先駆けとなったこの4号は、モノとかトレンドではなく、「哲学」「視点」を雑誌にパッケージし、また古今東西のかつてのライフスタイルを「今」に機能させるべくカッコよく提出するというスタイルで、雑誌というメディアの可能性を広げた、というのは言い過ぎであろうか? モノをチョイスすることによって生まれるカタカナの「ライフスタイル」ではなく、言葉本来のLifestyle。「個」の確立というそれまでの日本にはない概念をこの時期の『THIS』が提案した結果は、この2000年のユース・カルチャーを見渡すことによって確認できるであろう。 (山崎二郎) |
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