イギリスの「ぴあ」にあたる情報誌「TIME OUT」。佐野元春はスタジオの隅に読み捨てられていたこの雑誌を見てアルバムのタイトルを決めたらしい。
1990年にリリースされたこのアルバムは、前作『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』を制作したコリン・フェアリーを引き続き共同プロデューサーに迎えているが、レコーディングは東京でザ・ハートランドと行なわれた。先鋭的でアグレッシヴだった前作に比べると、このアルバムは落ち着いたバンド・サウンドで、曲の内容も内省的なものが多い。
佐野はこのアルバムの制作に先立って、知り合ったデジタル世代の若いレコーディング・エンジニアたちがビートルズのアルバム『リボルバー』を新鮮に受け止めていることに興味を覚え、敢えてアナログ機材を使ってレコーディングを行なった。その結果このアルバムには「恋する男」や「ジャスミンガール」のようなシンプルでフレンドリーな佳曲が収録されることになった。 (西上典之) |
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