01 | ベスト盤
「THE LEGEND - Early days of Motoharu Sano」
2003-2004

 エピックレコード(設立当時はエピック・ソニー)の設立25周年を記念して、2003年元旦、バービーボーイズ、大江千里、大沢誉志幸、ストリート・スライダーズら、レーベルの代表的な11組のアーティストのベスト・アルバムが、『THE LEGEND』のタイトルの下、一斉にリリースされた。もちろん、そのシリーズには佐野元春の名前もあった。


 サブタイトルは「THE EARLY DAYS 1980-1989」。その名の通り、佐野の80年代の代表曲を16曲収録、40ページのフルカラー・ブックレットが付属している。レーベルによる企画ものではあるが、「ありふれた企画盤にはしたくない」との佐野元春の意向で、佐野自身が選曲とリマスターを手がけた。


 「アンジェリーナ」「ガラスのジェネレーション」「SOMEDAY」「Young Bloods」「約束の橋」などのシングル曲に加え、「悲しきRADIO」「Rock & Roll Night」など、佐野のキャリアの中で外すことのできない重要な曲をもれなく収録している。このアルバムでしか聴けない曲、バージョンなどはないものの、80年代の佐野の軌跡を概観するために、あるいは佐野ビギナーの入門編としてうってつけのオーソドックスな構成であり、現在廃盤になっているのは残念である。


 大半の曲はオリジナルをそのままリマスターしたものだが、「アンジェリーナ」は2000年にリリースされた『The 20th Anniversary Edition』収録のリミックス。「ダウンタウン・ボーイ」はシングル・バージョンのリミックスで、2002年リリースの『SOMEDAY Collector's Edition』のボーナス・ディスクに収録されたもの。また「約束の橋」はスリーブに「7'シングルバージョン」「released in 1989」と表記があるが、実際には1992年にシングルが再リリースされた際、ボーカルを録り直したバージョンである。

(西上典之)

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