02 | ライブDVD「THE SUN LIVE and RECORDINGS」 2005-2006

 80年のデビュー以来20年以上にもわたって在籍してきたエピック・ソニーを離れ、自らが設立したレーベル「Daisy Music」(ユニヴァーサル・レコード流通)から04年7月21日にリリースした『THE SUN』。この映像作品『THE SUN AND RECORDINGS』は、同年10月2日から翌05年2月20日にかけて30カ所で行なわれた『THE SUN』の発表に伴うライヴ・ツアー“THE SUN TOUR 2004-2005の最終公演(東京NHKホール)を中心に、アルバム『THE SUN』のレコーディング風景、さらに、新しく撮影されたミュージック・クリップ映像3曲「レイナ」「遠い声」「恋しいわが家」を加えたDVD2枚組。発売はツアーの記憶も新しい同年6月22日。

 ライヴは馴染み深い旧作品を演奏する第一部とアルバム『THE SUN』の楽曲を演奏する第二部に分かれたもので、ディスク1にはツアーのメイン部となる第二部がノーカットで収録されている。ディスク2は盛りだくさんな内容で、ライヴの第一部とThe Hobo King Bandのインタヴュー、ビデオ・クリップ、レコーディング・セッション、“Rock & Soul Reviewと“ミルク・ジャム・ツアー”からピック・アップした未発表映像のダイジェストを収録。またエクストラ・トラックとして「アンジェリーナ」のライヴ・セッション、ツアーに参加したボブ・ザング(Bob Zang)のプレイなども収められている。

 同年12月7日には『THE SUN』収録の3曲のコンプリート・ヴァージョン、9.11事件直後に発表された「光」を含む6曲入りミニ・アルバム『THE SUN STUDIO EDITION』と、東京NHKホールでのライヴ(2月20日)からの17曲を収録したライヴ・アルバム『THE SUN LIVE AT NHK』が同時に発売されている。『THE SUN』が、前作『Stones and Egg』から約5年を経て発表されたオリジナル・スタジオ・レコーディング・アルバムであるうえに、自ら設立したレーベルからの第一弾ということもあり、佐野元春の同作品に対する愛情はひとしおのものだったはずだ。本作を含めた『THE SUN』関連作の多さがそれを物語っているだろう。

(岩本晃市郎)

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