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09 | 「元春レイディオ・ショー」レギュラー放送復活 | 2007-2009 |
DJ:佐野元春よるラジオ・プログラムは、作品リリースやライヴなどの音楽活動や『THIS』に代表される書籍の編集・出版などと共に、佐野にとっては大きな活動の柱であった。
1981年4月〜1987年3月までNHK FMのサウンドストリート枠で毎週放送された「元春レイディオ・ショー」、1985年12月〜1987年3月までFM横浜で放送された「THE HEARTLAND HOUR」、FM東京を中心に1987年5月〜1989年3月まで放送された「FM SUPER MIXTURE」、1990年4月〜1991年9月までT-FMをキー局に放送された「テイスティ・ミュージック・タイム」、2002年10月〜2005年3月までT-FMをキー局に放送された「レイディオ・フィッシュ」、さらにインターネットを使って新たなラジオ番組の可能性を模索した「レイディオeTHIS」「レイディオMWS」などを通じて、佐野は常にラジオ音楽番組のあり方を模索しリスナーに提示してきた。
その中でも圧倒的に復活を望む声の大きかった「元春レイディオ・ショー」が、まず2008年11月7日からウェブ・サイト「NHK青春ラジカセ/サウンドストリート」の中でストリーミングによって再放送され、それに次いで、遂にNHK-FMで2009年3月31日からレギュラー放送が復活した。
この新たなる「元春レイディオ・ショー」では以前からの「More Music, Less Talk」の精神は継承されており、佐野自身の選曲・構成で毎回テーマを決めて放送するスタイルにも変化はない。ただし以前の放送と特に大きく異なる点、それは放送と共に即時性のあるインターネットを使うことにより、DJとリスナーによる双方向性を大きく向上させたことだろう。
この番組の専用サイト「MRS」(http://www.moto.co.jp/MRS/)ではオン・エアーされた楽曲リストが即日アップされ、それに対してリスナーが投票・閲覧できるようになった。番組の反応などを瞬時に知ることが出来、さらにバック・ナンバーの試聴や、プレイリストの閲覧、リクエスト、レビューの投稿などもこのサイトを通じて行えるようになった。このような画期的なシステムの導入はラジオ業界でも大きな話題となり、新たなラジオ・メディアの可能性を示したものとしても注目されている。
(土橋一夫)
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