松田聖子のヒット曲「ハートのイヤリング」の作曲者として知られているHOLLAND ROSE(ホーランド・ローズ)は、元春レイディオ・ショーに届いた1枚のリクエスト・ハガキから生まれたと言われている。
ある日、ひとりの少女から1枚のハガキが元春レイディオ・ショーのスタジオに届いた。そのハガキには“ホーランド・ローズの「キッス・オン・マイ・リスト」をリクエストします”と書かれていた。「キッス・オン・マイ・リスト」はダリル・ホール&ジョン・オーツ(通称ホール&オーツ)のヒット曲であり、佐野も何度かレイディオ・ショーで紹介していた。つまり、彼女はホール&オーツをホーランド・オーツと聞き間違えていたのだ。
素敵なミステイクだな、と佐野は思った。ホーランド・ローズ。オランダのバラ。とても魅力的なネーミングだ。そして彼はそれを自分のもうひとつの名前にした。
その後、松田聖子の「ハートのイヤリング」をはじめ、ホーランド・ローズは何曲かのチャーミングなポップ・ソングを書き、「ハートランドからの手紙」ではもうひとりの佐野の分身だったウィルの陽気なパートナーとしても活躍した。
最近ではあまり見かけないけれど、ホーランドはきっと元気にしていると思う。“ちょっとピンボケ”の相棒ウィルと一緒に。