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01 | 地雷撲滅キャンペーン「ZERO LANDMINE」に参加 | 2001-2002 |
海外では当たり前のごとく発信されているが、日本では、社会的/政治的なメッセージをアーティストが主張することはタブーとされていた。社会運動やチャリティーなどへのコミットメントは、学生運動の時代の一部の“過激”なアーティストを抜かせば、そう多くなかった。もっとも、そうした動きも徐々に解消されつつある。おそらく、佐野はその先鞭をつけた一人だろう。
メジャーなフィールドで活動するアーティストとしては先駆者である。飢餓の援助活動、反核・反原発、代用監獄の問題、チベット人権問題などに当初から関心を寄せ、実際に運動にも協力し、音楽の中でもメッセージしていた。CDの収益の一部を寄付に当てていたこともある。佐野自身は、ジョージ・ハリスンがバングラデシュ難民救済のために開催した「バングラデシュ・コンサート」(1971年)などを見てきて、自分もいつか行動したいという思いがあったそうだ。1985年の「ライブエイド」へ、日本から衛生中継で参加したのも、そんな発想からだろう。
「地雷撲滅キャンペーン」への参加は、TBSが開局50周年を記念して特別企画した「地雷ZERO 21世紀最初の祈り」の“地雷ZERO”キャンペーン・ソング「ZERO LANDMINE(ゼロ・ランドマイン)」(LANDMINEは地雷の意味)に関わるという形で実現している。
坂本龍一の呼びかけで集まった細野晴臣、高橋幸宏、桜井和寿、TAKURO、TERU、吉田美和、デビッド・シルヴィアン、シンディー・ローパー、クラフトワークなど、国内外の有名アーティストによる、キャンペーンのための特別なユニット=N.M.L(NO MORE LANDMINE)によって制作され、2001年4月25日にリリース。同年8月にはアナログ盤も発売された。同作の収益金は地雷除去のために使われている。
佐野は、1曲目の「ZERO LANDMINE」(と4曲目のShort version)にボーカルで参加。「Came and went and stole tomorrow」というラインを担当している。
(市川清師)
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