08 | 「ナイアガラ・トライアングル VOL.2」リイシュー盤 2001-2002

 『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』は、大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次によるアルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』以来6年ぶりになるナイアガラ・トライアングルの第2弾。1982年3月21日に発売された。メンバーはいうまでもなく、大滝詠一、佐野元春、杉真理である。

そのリイシュー盤が“20周年記念盤”として、2002年3月21日にリリースされた。大滝本人による全曲リマスタリング、ボーナストラック6曲を加えてのリイシュー。その前年には、大滝の『ロングバケーション』の“20周年記念盤”もリリースされている。プロデューサー“大瀧詠一”のライフワークの一環ともいえるものだ。

 佐野は『SOMEDAY』と並行し、同作の制作に入った。大滝とのコラボレーションが佐野の音楽に多大なる影響を与えたことは周知の事実。本来は『SOMEDAY』に収録予定だった楽曲「マンハッタンブリッジに佇んで」が『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』へ“異動”しているなど、同時期、両作がいかに密接に結びついていたかの証左だろう。また、『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』には伊藤銀次が参加していて、『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』『SOMEDAY』にも彼が関わっているというのも運命的なものを感じさせる。

 このアニバーサリー盤では、オリジナルの楽曲に加えて「A面で恋して」のCMバージョン、「彼女はデリケート」のシングルバージョン、同曲にカップリングされた「こんな素敵な日には」などが収録されている。オリジナルと20周年記念盤を聞き比べるのも一興。微妙な“編集”や“修正”があり、大滝らしいこだわりが随所に散りばめられている。『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』の例にならえば、2012年には“30周年記念盤”がリリースされる予定!?

(市川清師)

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