今日は「Live On」という仮タイトルで呼ばれている曲のベーシック・トラックをレコーディングする。この曲はまだキーが決まっていない。さまざまなキーで演奏し、歌ってみる。その曲にとっての最良のキーを求める佐野はとても熱心だ。転調には慣れているH.K.B.のメンバーは自分たちを「転調民族」と呼んでいる。

リハーサル中の会話
佐野「F,G,Cの譜面はあるけど、AとBがない。大丈夫かな？」
井上「僕らは“転調民族”だから」
佐橋「頭にカポ付いてるから大丈夫」

　キーの設定には時間を費やしたが、実際のレコーディングは数テイクで終わった。「Live On」の場合にも最優先されるのはバンド・サウンドのグルーヴ。充分にリラックスしながらもテンションの高いテイクが採用された。

　H.K.B.の演奏は「巧い」というよりもむしろ「力強い」。彼らの場合、ミュージシャンとしての基礎体力が桁外れに高い。今日は午前3時まで全員でレコーディング。最後にはイントロを録り直した。なんてタフな連中だ。