1999年12月15日、佐野はデビュー20周年を記念するイベントの一環として新しいホームページ「eTHIS」を立ち上げた。「アーティスト佐野元春を“知る”“買う”“体験する”!」をテーマに、2000年大晦日までの１年間限定で「Moto's Web Server」にはない様々なコンテンツを提供している。　

「知る」──。20年の歴史を様々な角度で振り返る「Now and Then」を10回に分けて掲載、古くからのファンには想い出を届けるとともに、新しいファンには佐野の足跡を改めてテーマ別 に紹介した。eメールを利用した「eTHISメール」では、単にページの更新を知らせるだけではなく、メール独自のロング・インタビューを掲載して付加価値を高めた。　
　
「買う」──。ＣＤや書籍など既存の商品だけでなく、記念のギターやプレートなど「eTHIS」だけのプレミア商品を用意、販売した。他のeコマースサイトと連携するとともに、独自商品はSo-netのインフラを利用、ネット上で注文から決済までをできるようにした。　
　
「体験する」──。「レイディオeTHIS」ではかつて「元春レイディオ・ショー」で人気を集めた佐野のDJを再現した。はがきの代わりに、ファンが自由に書き込みできる掲示板を用意するなどネットらしさも付加した。他にもファン参加型のイベントとしてクイズ大会、さらにネットライブ「Summer of 2000」も実施した。
　
佐野は、「Moto's Web Server」でホームページを単なる情報発信の場に止まらせず、ファンとアーティスト、ファン同士を結ぶコミュニティの場に仕立てた。そして、「eTHIS」ではそれをさらに発展させ、物品の販売や広告の掲載などビジネスの場とすることをも模索した。
　
20周年の記念というだけでなく、常にインターネットの可能性を追求し続ける佐野の最も新しい挑戦がこの「eTHIS」と言える。